円安・円高とは? | 松原教室
こんにちは!松原教室です!
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
3月22日、東京外国為替市場では1ドル=120円台とおよそ6年振りの円安水準の値を付けました。
要因としては、アメリカの利上げ決定による日米の金利差の拡大や日本の貿易赤字、国際情勢の緊迫化により基軸通貨で有事に強いドルが買われたことなどが挙げられます。
では、そもそも円安になるとどのような影響があるのか、逆に円高になればどのよう影響があるのか、こちらを解説いたします!
中学校社会科でも、公民的分野で学習する内容ですので、中学生の皆さんは要チェックです!
・そもそも為替とは?
世界中には、たくさんの通貨(お金の単位)があります。日本では「円」が使われていますが、アメリカでは「ドル」、イギリスでは「ポンド」にように世界各国で様々な通貨が使われています。それぞれの国で別の通貨を使っているので、別の国に行ったりする時は、通貨を交換しなくてはいけません。
例えば、海外旅行でアメリカに行くならば、ドルが必要になるので、円をドルに交換しなくてはいけません。その通貨の交換を行うことが外国為替と呼ばれます。
・「円安」「円高」とは?
では、ニュースでもよく耳にする円安・円高とはどういうものでしょうか?これは、日本の通貨である「円」の価値のことを表しています。円の価値が高いことを「円高」、円の価値が低いことを「円安」と表します。
円の価値が変動することで、他の通貨と交換する際の交換比率が変わります。(もちろん、交換する相手の通貨の価値によっても交換比率が変わります。)
この交換比率は日々変動しており、これが為替相場や円相場と呼ばれているものです。なお、ニュースでよく見るのは、円とドルを交換する際の比率になります。(以下の説明でも円/ドルの交換を前提で話を進めます。)
・円安になるとどんな影響が?
円安は、円の価値がドルに対して相対的に安くなっている状態です。
例えば、1ドル=100円だったのが、1ドル=110円に変動したとします。この場合、もともと1ドルと交換するには100円を出せばよかったのが、110円を出さなくてはならなくなります。これは、ドルに対する円の価値が低くなったということです。
円安の場合は、一般的に輸出には有利で、輸入には不利になります。
仮に、100万円の製品をアメリカに輸出するとします。これが1ドル=100円から1ドル=125円に円安になったとします。
1ドル=100円 | → | 1ドル=125円 | |
日本円 | 100万円 | → | 100万円 |
米ドル | 1万ドル | → | 8000ドル |
このように、1ドル=100円の時ならば1万ドルだったものが、1ドル=125円になれば8000ドルに値段が変動します。同じ製品でも、値段が安くなるので、売れやすくなります。そのため、製品を外国へ輸出している企業は業績が伸びやすくなります。
他にも、海外からの旅行客が日本へ来る際に自国の通貨を円に換える場合、円安の時ならば多くの日本円に換えることができるので、お得になります。
一方で、製品を輸入する際には逆になります。
100ドルの製品をアメリカから輸入するとします。この際、1ドル=100円から1ドル=125円に円安になったとします。
1ドル=100円 | → | 1ドル=125円 | |
米ドル | 100ドル | → | 100ドル |
日本円 | 1万円 | → | 1万2500円 |
1ドル=100円ならば1万円で買えた製品が、1ドル=125円になれば1万2500円と値上がりします。外国から製品を買う際には、値段が高くなるので、損をします。そのため、外国から輸入をしている企業は業績が悪化してしまいます。
・円高になるとどんな影響が?
円高は、円の価値がドルに対して相対的に高くなっている状態です。
例えば、1ドル=100円だったのが、1ドル=90円に変動したとします。この場合、もともと1ドルと交換するには100円を出さなくてはならなかったのが、90円ですむようになります。これは、ドルに対する円の価値が高くなったということです。
円高の場合は、一般的に輸出には不利で、輸入には有利になります。
仮に、100万円の製品をアメリカに輸出するとします。これが1ドル=100円から1ドル=80円に円高になったとします。
1ドル=100円 | → | 1ドル=80円 | |
日本円 | 100万円 | → | 100万円 |
米ドル | 1万ドル | → | 1万2500ドル |
このように、1ドル=100円の時ならば1万ドルだったものが、1ドル=80円になれば1万2500ドルに値段が変動します。同じ製品でも、値段が高くなるので、売れにくくなります。そのため、製品を外国へ輸出している企業は業績が悪化してしまいます。
他にも、日本から海外への旅行客が円を旅行先の国の通貨に換える場合、円高の時ならば多くの現地通貨に換えることができるので、お得になります。
一方で、製品を輸入する際には逆になります。
100ドルの製品をアメリカから輸入するとします。この際、1ドル=100円から1ドル=80円に円高になったとします。
1ドル=100円 | → | 1ドル=80円 | |
米ドル | 100ドル | → | 100ドル |
日本円 | 1万円 | → | 8000円 |
1ドル=100円ならば1万円かかった製品が、1ドル=80円になれば8000円と値下がりします。外国から製品を買う際には、値段が安くなるので、得をします。そのため、外国から輸入をしている企業は業績が伸びやすくなります。
・円安・円高の影響まとめ
円安の時 | 円高の時 | |
輸出する時 | 売る時の値段が安くなる→売りやすくなる | 売る時の値段が高くなる→売りにくくなる |
輸入する時 | 買う時の値段が高くなる→買いにくくなる | 買う時の値段が安くなる→買いやすくなる |
海外からの旅行客 | 多くの日本円に換えられる→お得 | 多くの日本円に換えられない→損 |
海外への旅行客 | 多くの現地通貨に換えられない→損 | 多くの現地通貨に換えられる→お得 |
円安と円高の影響は理解できたでしょうか?
為替相場の事は、テストでも頻出の問題になります。また、ニュースなどでもよく出てくる事柄ですので、ぜひ理解しておきましょう!
今後の為替相場のニュースなどもチェックしていきましょう!