西宮市鳴尾教室ブログ


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05月 08, 2017

~楽しい国語の世界②~小式部内侍と和歌

みなさんこんにちは。今回は日本語の中でも味わい深い古典について触れていこうと思います。

その昔、といっても1000年も前のことですが、日本では和歌が流行っておりました。今回は和歌の中でも筆者が好きな作品を取り扱っていこうと思います。

 

小式部内侍という人物をご存知でしょうか?百人一首にも登場しており、高校の古典の教科書にも彼女の作品が出てくることもある人物です。

彼女は和泉式部という当時とても有名な歌人の娘であり、母親の和泉式部とともに藤原彰子(藤原道長の娘で天皇の母親になる人物)に仕えます。

母親の和泉式部が引っ越した後、ある歌合せの会で彼女は藤原定頼という人物にちょっかいをかけられます。定頼は小式部内侍に、代わりに母親に歌を詠んでもらうための使者は戻られましたか?と彼女を馬鹿にします。母親はとても有名な歌人なので娘の小式部内侍は代わりに詠んでもらわないととてもじゃないが歌合せに出るのは難しいだろうと言ったのです。小式部内侍はその場で即興で歌を詠みあげます。

 

大江山 いくのの道の 遠ければ まだふみもみず 天橋立

 

百人一首にも残されている歌です。生野は母親の住んでいる場所と行くの掛詞になっており、「ふみもみず」は文を見ていないのと(天橋立を)踏んでいないとの掛詞になっています。このような歌を即興で詠まれた藤原定頼は「どういったことか」と驚いた。という話です。

こういった素晴らしい感性を持った小式部内侍ですが、残念なことに20代で亡くなってしまったようです。ですが、彼女の話や和歌はこうして1000年たった今でも保存されており、百人一首という形でも残っています。古典はこういった味わい深い話がたくさん残っています。ぜひ、味わっていただければと思います。

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