大阪市天王寺教室ブログ


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01月 24, 2017

「勉強は世界が変わります。思いっきり変わります。見たことのない世界に変わります(「下剋上受験」から抜粋)」 天王寺教室

今回紹介する本は、

「阿部サダヲ」と「深田恭子」主演でドラマ化し、

最近話題沸騰中の「下剋上受験 両親は中卒 それでも娘は最難関中学を目指した!」だ。

下剋上受験

(私自身はドラマ版は見ていないが他教室の室長によるとなかなかに面白いらしい)

 

簡単にあらすじを紹介すると、

中卒の両親が(というかお父さんが)、

娘の佳織ちゃんと二人三脚の親塾で(中卒のお父さんが先生)、

たった1年5ヵ月という期間で、

(難関中学受験は3年~4年は時間をかけるのが普通)

日本最難関の桜蔭学園を目指して奮闘したドキュメントである。

 

原作本を読む限り正直これはいかがなものかと思う部分もあるが、

それを補って余りある様々な良い視点や言葉、

そして明日から使える、使ってみたい勉強法で溢れている。

 

まず、

「疑問を解決することを怠り、

 継続することを怠り、

 努力することを怠ってきた私たちが

 劣等感や喪失感に見舞われるのは仕方ない。

 しかし、

 娘まで巻き添えになる理由がないではないか」

 

「人生は途中から変われなかった。

 途中参加は認められなかった。

 絶対に合流はできないんだと何度も思い知らされた、

 しかし、

 いつだって一斉にスタートするときの参加基準は甘いのだ。

 ここで参加しなければ絶対にもう近づけない」

と、考え、

娘のやらなくてはいけないことは、

全て自分もやるという方法で勉強を開始する。

 

ここは上手く「塾」を活用してほしいところだが、

子どもをやる気させるにはやはり保護者の協力は必要不可欠なので、

そういう意味では本当に偉大な選択である。

 

そして、お父さん自身も勉強の楽しさや美しさに目覚めていくところも、

この著作の素晴らしい点だと思っている。

 

例えば、

「感動した。

 40年以上生きてきて、

 たかが計算に初めて感動した。

 素早く計算することって数に対する接し方の違いなんだなと気づかされた。

 算数って大事なんだなと、

 勉強って大事なんだなと、

 やっぱり勉強ってしておくべきだったんだなと思うと

 涙が出てどうしようもなかった」

 

「正しい方法を教わり、

 それを工夫して取り組むと遂にはできるようになるという快感を初めて味わい高揚していた」

 

「そう考えると受験算数は実に美しい」

というふうに。

 

このように生徒に思わせることができるよう努力しているつもりではあるのだが、

勉強好きの生徒が増えないのはまだまだわたしの努力不足か。

 

また、中学受験の有用性としても、

「国語の文章の内容が子どもにとって必要な知識であることが非常に多いということ。

 前の晩に予習していると、

 是非この文章は佳織に読んでもらいたいと思わせる内容が非常に多い。

 大人になるために知っておきたいことがたくさん書かれている。

 親が教えることができない知識や考え方がたくさん詰まっている。

 物語を通していじめの根本や人種差別のいきさつを学ぶことができ、

 自分なりの考えを持った大人になれるような気がする。

 あえてこの年齢で知っておいてもらいたい、

 学んでおいてもらいたいことばかりなのだ。

 中学受験の国語は決して無駄にはならない。」 

と、述べている。

まさにその通りだと思う。

 

ただ、中学受験の難問を解いているからよりそう著者は感じるのだと思うが、

すべての学問・勉強は決して無駄にはならないはずだ。

(この時期にというのはもちろんあるが)

 

教育者のはしくれとして、

改めて己の心の褌を引き締めて子どもたちに向き合わねばならないなと感じた1冊だった。

 

最後にこれから受験シーズンもいよいよ佳境へと入っていく。

そんな受験生と保護者の皆様に。

 

 

下剋上受験2

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