高校教科書改訂「総合的な探究の時間」|アップ学習会|天王寺教室
こんにちは。
JR天王寺駅から徒歩3分
操車場が目の前にあるカレー屋さんの2階、アップ学習会 天王寺教室です★
すでに実施されているため皆さんご存じかと思いますが、2022年度から高校の教科書改訂が行われます。
今回は高校の教科書改訂についてお話します!
目次(タイトルクリックしたらそこへ飛びます)
■今回の改定の目的は?
■高校ではどのように変化するのか
■探究型学習とは?
■「総合的な探究の時間」とは
教科書は学習指導要領に基づいて作られており、この学習指導要領は10年ごとに改定され、社会状況や学習課題に応じて見直しが行われています。
社会の変化や技術の進歩への適切な対応をできる力、すなわち「生きる力」をつくる目的が一番大きな見直し理由です。
IT技術が進み、プログラミング教育が導入される
持続可能な社会をつくっていくための環境やエネルギーについての教育
学んだことをどう活かしていくかというキャリア教育
上記以外にも重視される内容が変化してきました。
そのため、教育改革が行われ、子供たちは新たな時代を生きていくために必要な「正解のない課題に取り組む力」をつけていくことになります。
また、小・中、中・高、高・大の「接続」も重視されています。
小学校から大学まで、日本の学校教育全体の改革として、一連の流れを強く意識したものとなります。
2022年から始まる高校での学習指導要領の改訂では、「探究」が軸に改訂が行われます。
「古典探究」
「地理探究」
「日本史探究」
「世界史探究」
「理数探究基礎」「理数探究」
※“理数”は数学と理科にまたがる新たな科目
単純に覚えていく学習から、資料を元に必要な情報をまとめる学習が中心になります。
今までの「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」に代わります。しかも必履修科目です。
その他新設・再編教科(科目)については前回の記事を参考にしてください。
一言でいうと「自ら学び、自ら考える力を育てる」学習です。
新しい指導要領では「アクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)」の実現を掲げており、それが取り入れられます。
・「主体的な学び」の視点
学ぶことに興味や関心をもち、自己のキャリア形成の方向性と関連づけながら見通しをもって取り組み、自己の学習活動を振り返ってつなげる学び。 ・「対話的な学び」の視点 子ども同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手がかりに考えることで、考えを広げ深める学び。 ・「深い学び」の視点 習得・活用・探究という学びの中で、各教科の特質に応じた「見方・考え方」を形成し、問題を見いだして解決策を考えたり、創造したりする学び。 |
参照元:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1401806.htm
探究型学習はアクティブラーニングのなかでも、「深い学び」を重視した学習といえます。
グループディスカッションやディベートなどで能動的に学習するようにさせることで、自立学習では身につけることが出来なかった社会的能力や経験・教養をつけることが出来るのではないかと期待されています。
これまでは小3~高3までの授業内容を「総合的な学習の時間」としていました。
今回の改訂で、小3~中3の「総合的な学習の時間」で育んだ知識を高校の「総合的な探究の時間」で探究的な活動に活かすことを目的にしています。
小中学校で学習してきたことを、将来の自分の姿や社会のことと結び付けながら問題点や解決策を探究する力を身につけていく科目です。
総合的な学習の時間とは
探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。(後略) 総合的な探究の時間とは 探究的の見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。(後略)
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参照元:https://www.mext.go.jp/content/1407196_21_1_1_2.pdf
実際には「課題解決に向けての行動を繰り返し行う」ので、「課題を見つけて、情報を収集し、それを整理・分析したものをまとめて、相手に伝えて表現する」プロセスを行います。これは各科目でも行います。
《探究テーマ例》
・合唱コンクールの意義について
・ハノイの塔について
・河川と水害の関係
・○○高校の勤務実態
目標を実現するのにふさわしい探究課題がテーマになるので、地域や学校の特性によってそれぞれ設定されます。その中で生徒自身が課題を発見していくことになります。
自身で考え、自身の言葉で意見が言えるように、課題発見力と提示力を養う時間です。
今後大学受験も小・中・大と進んできた教育改革に合わせて変わります。
生徒の皆さんはしっかりと対応できるように学んでいきましょう。
そのうえで今後の未来を見据える力を作る手助けを、アップ学習会では行います。
学習面での不安がある方はお気軽にお問い合わせください。
高校(教科)科目の新設・再編|アップ学習会|天王寺教室
こんにちは。
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既に4月から開始されているのでご存じの方がほとんどかとい思いますが、
今回は高校の教科書改訂に伴う教科/科目の新設・再編についてすこし掘り下げようと思います!
目次(タイトルクリックしたらそこへ飛びます)
■今回の改定の目的は?
■新設・再編される教科・科目の代表
■新設・再編される教科・科目の特徴
教科書は学習指導要領に基づいて作られており、この学習指導要領は10年ごとに改定され、社会状況や学習課題に応じて見直しが行われています。
社会の変化や技術の進歩への適切な対応をできる力、すなわち「生きる力」をつくる目的が一番大きな見直し理由です。
IT技術が進み、プログラミング教育が導入される
持続可能な社会をつくっていくための環境やエネルギーについての教育
学んだことをどう活かしていくかというキャリア教育
上記以外にも重視される内容が変化してきました。
そのため、教育改革が行われ、子供たちは新たな時代を生きていくために必要な「正解のない課題に取り組む力」をつけていくことになります。
また、小・中、中・高、高・大の「接続」も重視されています。
小学校から大学まで、日本の学校教育全体の改革として、一連の流れを強く意識したものとなります。
続いて、「総合的な探究の時間」の方針に基づき、科目においても新設・再編がされます。代表的なものを見ていきましょう。
【国語】
・必履修科目「国語総合」→「現代の国語」「言語文化」
・選択科目「国語表現」「現代文A・B」「古典A・B」の変更
→「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」
【地理歴史】
・「世界史A・B」「日本史A・B」「地理A・B」が改変
・新設必修→「歴史総合」「地理総合」
・新設選択→「地理探究」「世界史探究」「日本史探究」
【公民】
・新設必修→「公共」
・選択科目から「現代社会」がなくなる
【数学】
・新設選択→「数学C」
・選択科目から「数学活用」がなくなる
【外国語】
・必修「コミュニケーション英語Ⅰ」→「英語コミュニケーションⅠ」に変更
・新設選択「論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」
【家庭科】
・「生活デザイン」がなくなる
【情報】
・必修「情報Ⅰ」
・「社会と情報」「情報の科学」としてはなくなる
【理数】
・共通科目新設「理数科」
【総合的な探究の時間】
・総合的な学習の時間にかわり新設
先ほど挙げた再編・新設科目について特徴があるものを詳しく見ていきましょう。
①国語科における科目再編
・必履修科目「国語総合」→「現代の国語」「言語文化」
・選択科目「国語表現」「現代文A・B」「古典A・B」の変更
→「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」
「現代の国語」「論理国語」「国語表現」は実社会に生きるために必要な国語の能力を身につけることを目的に新設されたものです。
②地理歴史科における新設
・新設「歴史総合」「地理総合」
今まで「世界史A・B」「日本史A・B」「地理A・B」と分けられていたものが、「総合」として必履修科目となります。
「地理総合」は領土や国際協力・防災を学習。
「歴史総合」は日本と世界の近現代史を扱います。
もちろん総合で今までのA・Bの範囲をすべて学習はできませんので、
選択科目として「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」が新設されます。
③公民科における新設
・新設必修→「公共」
・選択科目から「現代社会」がなくなる
選択科目から「現代社会」がなくなり、必修科目として「公共」が新設されました。
2022年には成年年齢が18歳となります。
こういった社会の背景も踏まえ、政治参加・選挙・労働問題・消費者教育・SDGsについて学んでいく科目として新設されました。
④数学Cが復活
・新設選択→「数学C」
・選択科目から「数学活用」がなくなる
単に以前の数Cが復活したのではなく、単元が移行しています。
数Bに入っていたベクトルが数Cへ。
数Bは「数列」・「統計的推測」・「数学と社会生活」の3本柱になります。
共通テスト(2025年以降)では、数Ⅱ・数B+数C が必要
国立大学(文系)志望は、数Cが必須に。
文系だからいらない、ではなくなります。
⑤外国語は発信力を強化
・必修「コミュニケーション英語Ⅰ」→「英語コミュニケーションⅠ」に変更
・新設選択「論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」(英語表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの変更)
外国語は小中高一貫して、「聞く」・「読む」・「話す(やり取り)」・「話す(発表)」・「書く」の4技能5領域を強化する方針です。ディベートやディスカッションを通して、さらに発信力を高める「論理・表現」の科目も新設されます。ここでは会話などで使える英語の表現と文法を両方進めていくようです。
また、高校英語での英単語数が
3000語から4000~5000語に増加します。。。
小学校でも英単語を習い、中学校でも学習する英単語は増加、そして高校でも。
しっかり定着をはかりましょう。
⑥プログラミングを扱う「情報Ⅰ」が必修に
すでに施行されている小学校の学習指導要領では、プログラミングが必修となりました。
中学校でもプログラミングや情報セキュリティについて学習しています。
それに伴い、高等学校でもプログラミングを扱うようになります。
より高度なIT人材を育成することを目的に、
情報が世の中に与える影響を考える「社会と情報」と
プログラミングを教える「情報の科学」の2科目をひとつにした「情報Ⅰ」として必修化されます。
⑦共通科目「理数科」の新設
「理数探究基礎」および「理数探究」で編成される科目です。
数学的な見方・考え方、理科的な見方・考え方を組み合わせて課題を解決するために必要な、
基本的な資質・能力を育成することを目的としています。
⑧総合的な探究の時間
・総合的な学習の時間にかわり新設
小3~中3の「総合的な学習の時間」で育んだ知識を高校の「総合的な探究の時間」で探究的な活動に活かすことを目的にしています。
小中学校で学習してきたことを、将来の自分の姿や社会のことと結び付けながら問題点や解決策を探究する力を身につけていく科目です。
以上が概要になります。
数学や英語に関しては大きく変化がみられます。
今まで以上にしっかりと学習計画を立て、時間を割く必要が出てきたのではないでしょうか。
その他教科・科目に関してももう少し内容を掘り下げてお伝えしていけたら…と考えています。
次回の更新もお楽しみに★