「願わくばもう一回、君との糸が繋がりますように(「レインツリーの国」から抜粋)」 天王寺教室
前回、前々回とかなり堅い内容の記事を書いた。
が、私自身それらの記事のような読書技法を駆使しているかとなると実は自信がない。
「娯楽としての読書」の方が割合としては多いからだ。
実際「読書は楽しい」。
まずはそれで良いとする。
そして読書の楽しさを知らない人が多すぎる。
ゆえに今後は少しでも多くの人に読書の楽しさをまずは知ってもらうため、
このブログでは様々な本を紹介していくことにする。
第一弾として記事にするのは「レインツリーの国」とした。
この11月21日劇場公開される映画の原作だからだ。
(教室では生徒の興味を引くために、
映画化やアニメ化した作品を前面に押し出している)
「図書館戦争」や「阪急電車」で有名な「有川浩」さんの作品である。
『かつて読んだ一冊の本の感想により、
インターネット上でつながった「伸行」と「ひとみ」。
メールでの交流を深めるうちに「伸行」は「ひとみ」に会いたくなるのだが、
彼女には会いない理由があり…』
という風に物語は展開していく。
単純に恋愛ものとして読んでも面白いし、
とある問題に焦点が当たっているのでその勉強にもなる。
単に楽しんで読むだけで良いと上記したが、
読んでいるだけで様々な知識を得る事が出来るのが読書の良い点である。
映画の俳優陣を見ると若者向けのようにも感じるが、
(主演:西内まりや 玉森祐太)
内容的に切ない気分になりたい大人向けかも知れない。
「君と付き合えないとしても
思い出の本について語れたあの始まりからの日々には意味があるので
僕にはそれで充分です」
上記は本文からの抜粋だが
本誌では改行の仕方が巧みで主人公の気持ちをよく表現していたりする。
小説ならではの方法であるので楽しんでみてほしい。
ちなみに有川浩さんの作品は老若男女を問わず、
読み易く楽しめる作品が多いと思うので読書初心者にもオススメだ。
(恋愛系は苦手だという方には「三匹のおっさん」シリーズを)
「本というものが新しい洞察を与え、読み手を啓発してくれるのは、すぐに理解できない言葉があるからである(「本を読む本」から抜粋)」 天王寺教室
前回記事にて読書の有用性について述べた。
まずは読書することが大切である。
しかしいつまでも読むことだけが目的であってはいけない。
「どのようにして読むか」が大切になる時期が必ずやってくる。
そのため世間には多くの「読書の技法」についての著作がある。
むしろありすぎてどれを選べばよいかわからなくて困ってしまうだろう。
そこで私がオススメするのは「本を読む本」である。
(タイトルは本文より抜粋)
35年以上前の本だが、その内容は全く色褪せていない。
「読書の意味」からはじまり、
「レベルに合わせた読書技法の解説」を行い、
「読書と精神の成長」で締めくくられている。
これらがしっかり理解できれば大人になっても大丈夫である。
なぜなら本書にもあるように、
「読書技術には『手助けなしの発見』のための必要な技術が
全て含まれているのである。
鋭い観察力、確かな記憶力、豊かな想像力、
そして分析や思考によって鍛えられた知性、
これらが全て要求される。
というのも、理解を深めるような読書は、
本という教師がついていても、
本質的には『手助けのない発見』と変わらないからである。
~中略~
学校を出てから教養を身につけようとすれば、
頼るものは教師のいない読書だけである。
一生のあいだずっと学びつづけ『発見』しつづけるには、
いかにして書物を最良の師とするか、
それを心得ることが大切なのである」 からだ。
技法の解説以外にも上記のように素晴らしい言葉で溢れている本書であるが、
正直なかなかに難しい。
かなり優秀な中学生でもかなり厳しいレベルである。
が、少し頑張って新たな世界を切り拓いてほしいと切に願う。